こんにちは、駆け出しWebライターのJunpei_です。
こちらの「Webライターの権利」シリーズ第1弾に続きまして、
今回は最近ニュースにもなっている「Webライターとクライアント間でのトラブル」について取り上げてみました。
Webライター歴が長い方に聞くと、
高い確率で契約や報酬についてのトラブルを実際に経験しているそうです。
Twitter上でも、「クライアントとの連絡が取れなくなった。」などの報告もちらほら見かけます。
原因や状況こそそれぞれではありますが、Webライターにとってトラブルは日常茶飯事です。
明日は我が身。もし自分の身に起きたときにでも、正しい判断で対処ができるように。
さらには、トラブルを事前に避ける方法を考えていきましょう!
Webライターでトラブルを抱えてる人って実は多い⚡

副業の自由化や、コロナの状況により、本業とは別の何かをするという選択肢を持った方も多いはず。
Webライターに限らず、ネットビジネスに挑戦する方は年々増加傾向にあると思います。
それに比例して増えるのが、発注者と受注者間でのトラブル。
2021年8月、「フリーランスとクライアント間でのトラブル増加」について、新聞で取り上げられるほどに問題は深刻化しています。
現状では、労働基本法が適用されないWebライターという職種(法人化されている場合は除く)。
どことなく立場が低いように見られてしまう場合もあるようです。
実際にあったトラブル例
・指示通りの記事を書いても、納品後に記事が不要になり「報酬を支払わない」と言われた。
・納品後発注者と連絡がとれない。
・発注者側と確認を取りながら記事を書いていたが、最終的に意図にそぐわないと一方的に減額される。
・契約内容にない業務を要求される。
・口頭でのやり取りや契約書無し。
・報酬がはっきりしない状態での作業開始。
・ネットワークビジネスへの勧誘
・個人の依頼主からのお仕事で、Webライターを下にみる傾向があったとの声。(ハラスメント)
トラブルのおおよその原因は、受注者と発注者の認識の違いによって起きるものだと思います。
お互い人間どうしなので、まちがうこともあれば、理解不足など行き違いになってしまうことも。
「どうすればいいかわからない」、「評判が悪くなりそう」、「裁判しても勝てなさそう」などの理由や、口約束の仕事を一方的にキャンセルされるなど多くの方々が泣き寝入りしているという現実もあります。
記録に残る方法で契約内容を確認。それから作業へ!
Webライターの仕事に携わっていると、発注者から何度か修正を求められることがあります。
それだけならよいのですが、納品をし終わった後でも、追加の修正を求められることも少なくありません。
おそらくだいたいの契約は記事を納品するまでが、報酬発生の条件になっているはずです。
しかし、「継続案件がもらえないから」、「立場を悪くしたくない」と、しぶしぶ契約内容にない業務を受けている方もいるのではないでしょうか?
そんなトラブルを避けるためにも、まずは記録に残る方法で契約を結ぶことが望ましいです。
契約書面がないと、不利な交渉や泣き寝入りに繋がってしまいます。
下請け取引の公正化を定めた下請法では、資本金1000万以下の事業者が発注する取引については、取引代金の額や、支払期日を記載した書面の作成を義務化されていません。(2021年8月現在)
現段階で義務化されていなくとも(資本金1000万超の事業者を除く)、「意思の確認をすること」がトラブルを未然に防ぐポイントになるはずです。
②報酬金額の値、支払期日、(支払方法:クラウドソーシングサイトではあまり問題なし)
③書いた記事の権利の帰属(「譲渡」か「利用許諾」なのか、ポートフォリオや自身の記事をどこで載せたいときには要確認)
口約束って契約になるの?
原則として、約束(合意)があれば契約は成立します。(民法522条2項)
口約束の弱みは言った言わないの論争になりやすいこと。たとえ本当に言われたことであっても、その証明ができなければ自身の立場を悪くしかねません。
双方が納得を得やすい形にするため、不利な交渉にならないためにも書面でのやりとりを残すことを心がけましょう!
困ったときは専門家へ
トラブルに巻き込まれたとき、実際にどのように対処したらいいのか。きちんと理解している人は少ないと思います。Webライターを始めて間もない方ならなおのこと。
実際に不満を感じながらも、「どうしたらいいかわからない」、「継続案件がもらえない」と何もできずに諦めてしまうこともあるでしょう。
このような弱い立場に置かれやすいWebライター。
自分では対応できないトラブルや悩みがある場合、だれに相談すればいいのでしょうか?
専門家を頼るべし。
ニュースでも取り上げられているように、Webライターをはじめフリーランスの働き方については、法整備が急がれている段階です。
それほど現状のままでは、Webライターの立場が守られていないということになります。
悩みにぶつかったときは、自分ひとりだけで判断しないせずに、専門家に頼ることも検討しましょう。
著作権を侵害していると言われたら?

まずは侵害しているかの判断を
もし自身の書いた記事に対して、「著作権を侵害しているよ。」と抗議された場合、本当にそれが侵害しているのかを見極めなければいけません。
判断する時にポイントとなる項目
・問題とされている表現物が著作物なのか
著者:大串 肇、北村 崇、木村 剛大、古賀 海人、斎木 弘樹、角田 綾佳、染谷 昌利
・著作物だとしても、抗議をしてきた人が著作権者なのか
・あなたの表現物が抗議をしてきた人の著作権に依拠してつくったものなのか
・抗議をした人の著作物と類似するといえるのか
書名:著作権トラブル解決のバイブル!クリエイターのための権利の本
出版社:ボーンデジタル株式会社
出版年:初版2018年9月25日
法律上の著作権侵害に当たるかどうかを自分で判断するのは難しい部分です。
侵害をしているかどうかは、最終的に裁判所が侵害だと判断しない限りわかりません。
あからさまなものじゃない限り、侵害しているかどうかは微妙なケースが多いそうなので、自分だけの判断ではなかなか決められません。
専門家に相談して、迅速な解決を目指しましょう。
明らかに著作権侵害をしてしまったら....
できることなら、事前にそうならないように対処したいところですが。
もし、イラストや写真であからさまに他人を写したまま使用してしまったり、商用利用不可のものを利用してしまったりなど、文章であれば無断転載などをしてしまった場合には、
迅速かつ誠意のある対応をとりましょう。
- すみやかに著作権を侵害してしまっている記事の削除をすること。
- ホームページをお持ちの方は、トップページ等にて謝罪文の掲載などで謝罪の意を示す。
- 一定の解決金の支払いを求められる場合もあり。
こちらからできる最大限の誠意をもっての対応を...m(__)m
著作権のゆくえは...?

納品した記事の著作権、どっちが持っているかわかっていますか?
自分で書いた記事を納品する際、その記事の著作権の所在を考えたことはありますか?
書いた側からすれば、「自分が書いたのだから、自身のサイトに使えないなんておかしい」、
またクライアント側からは「報酬を払ったのだから著作権もこちらのものだ」と。
どちらの言い分が正しいのでしょうか?
どちらの言い分ももっともなこと言ってる気がするなぁ....
契約内容によって著作権の所在は変わる。
記事の著作権、「権利譲渡」か「利用許諾」かで変わります!
記事を書くお仕事をもらう際に、まずするのが契約。
この契約段階でちゃんと確認するべきなのが、著作権のゆくえについてです。
自身が書いた記事に対して、権利の処理方法は2通りあります。
(正確には条件を組み合わせて柔軟に対応することも可能)
- 権利の「譲渡」(著作権法第61条1項)
著作権の譲渡によって、譲受人(クライアント)が新しい著作権者になります。自身の著作物として利用できるということは、他人に著作権を譲渡したり、利用許諾したりすることもできます。
譲渡する前に記事を書いた本人は、譲渡後、その著作物を自由には利用できなくなります。他人の著作物として扱うことに。著作権を譲渡する場合は、慎重に行いましょう。
口約束での契約でも譲渡は成立しますが、トラブルを避けるために契約書やメールの文書のような証明できるものを残しておきましょう。
- 著作物の「利用許諾」(著作権法第63条)
著作権の利用許諾の場合、記事の著作権は書き手側に残り、クライアント側は許諾を受けた者(ライセンシー)として、決められた範囲内で著作物を利用できるようになります。
権利の処理方法 | Webライター側 | クライアント側 |
著作権を譲渡 | 利用には著作権者の許可が必要 (自分の著作物ではなくなる) | 新たな著作権者へ (他人に譲渡、利用許諾可) |
著作権の利用許諾 | 著作権者として、権利は留まる | 利用は許諾を受けた範囲内でのみ |
クライアント側からすると著作権の「譲渡」を受けておく方が安心して利用できるので、契約内容にも「納品した記事の著作権を譲渡する」項目を盛り込んでいる場合が多いと思います。
補足として、
著作権の譲渡はするけど、自身のポートフォリオとして作品を公開したい場合は、
「著作権の譲渡 + ライセンスバック」という形で、最低限ポートフォリオとしての作品利用はできるようにと、契約段階で提案しておくのがベターです。
事前に取り決めをしてなかったら?
トラブルが起きやすくなってしまう理由として、契約上の不備があげられると思います。
このように人間が作る契約書ですから、お互いの意図しない状態を含んだままで作業に入ってしまう場合も無きにしも非ずです。
その一例として、
記事に対しての著作権についてなんの取り決めもないまま契約をした場合。
原則として、著作権についての契約をしていないなら、記事は書いた側の著作物となるはずです。
しかし、
このあいまいな契約が原因で、著作物の著作権はどちらにあるかを争う裁判が実際にはたくさん起きています。
裁判所側は契約がない状況では、譲渡ではなく、利用許諾をしていたと判断する場合が多いそうです。 なぜなら、お金をいただいて成果物を作っている以上、何かしらの利用許諾はしていると判断されるから。
契約書に書いてないから自分のものだろうと判断するのは法律上、まちがってはいないのかもしれません。しかしそれが発端でクライアント側とのトラブルになる可能性がある以上、契約をきちんと確認するクセをつけておきましょう。
まとめ
・契約条件をちゃんと証明できる形で残すと、不利な交渉になりにくい。
・著作権など法律が絡むトラブルは自身での判断が難しいので、専門家への相談も検討する。
・著作権侵害をしてしまったら、迅速かつ誠意ある対応をすること。
・「権利譲渡」しつつポートフォリオとして利用したい場合は、契約の段階でクライアントから許諾を得ておく。
いかがだったでしょうか。
今回はトラブルの対処編ということで、実例を参考にしながら、Webライターとしての立場を守っていく方法を考えてみました。
自由な時間に活動できる魅力をもつWebライター。しかし、労働基準法が適応されないという弱みもあり、フリーランスとして不利な交渉をせざるを得ない場面も現段階ではあります。この法改正が待たれるなかで、Webライターのトラブル関与を減らす、または対処法の糸口として少しでも役に立つことができましたらうれしい限りです。
最後までありがとうございました。
Webライターとして活動する上で、大事な”初歩的な引用&画像選定”についてまとめたコチラもぜひ。
あわせてご覧ください('◇')ゞ
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